注目を集める榛名神社
榛名神社といえば、SNSなどでパワースポットとして人気を集めている神社だ。
榛名神社のルーツは神武天皇の子息、綏靖(すいぜい)天皇の時代にこの地で天津神国津神を祀ったことに由来する。
神社の創建は西暦586年で、用明天皇の時代に今の榛名神社の基となる祭壇が築かれたことが深く関係しているとされる由緒正しい神社である。
榛名神社は古来修験道の霊場として名高く、関東の3大修験道の霊山に数えられている。
修験道は神道と仏教それぞれの教えを汲んでいるため、榛名神社を訪れると仏教の寺院を思わせる山門が現れる。
鳥居と山門という組み合わせは違和感を覚えるかもしれないが、江戸幕府の大政奉還後、天皇を中心とした国づくりが進められる中、神道と仏教が融合した伝統的な崇拝方式を解体するため、神仏分離令により多くの寺が神社へと名前を変え、鳥居などが建造されることになったのである。
榛名神社の山道を歩くと、ここがまさに修験道の霊山であることを感じさせられる。
その一つが鞍掛岩で、崖から張り出した岩は今にも崩れ落ちてきそうなほどの迫力を感じる。
今はこの一帯がしっかりと補強されていることから安全に歩行できるが、かつては岩の脇を歩いて榛名神社へ向かうことになったことから、修験者にとって格好の修行の道になったに違いない。
さらに足をすすめていくと、目の前に双龍門が見えてくる。
階段を登り双龍門をくぐると丹念に彫り上げられた龍が施されているのがわかる。
昔の修験者たちもきっとここをくぐり本殿へと向かったのであろう。
ここを過ぎるとその先に荘厳な本殿が現れる。
本殿の素晴らしい彫刻に圧倒されるのも束の間、すぐ脇にある大きな岩が目に迫ってくる。
これが御神体の「御姿岩」であり、山道を歩くときに見かける鞍掛岩よりもさらに圧巻の大岩だ。
なんと1400年以上の時を経た今でもこの岩は崩落せず、榛名神社の神様として信仰を集めているのである。
訪れた感想
榛名神社を訪れると、静かな佇まいの中鎮守する本殿が訪れる人を迎えてくれる。
冬場は肌が痛くなるほどの寒さになるが、それでも訪れる人を惹きつけるだけの圧倒的なパワーを持つ神社であることが実感できる。
やはり1400年という歴史がこの神社の荘厳さを物語っていると言えよう。
榛名神社参りを終えたら立ち寄ってもらいたいのが、山道にある茶屋で販売されている味噌おでんだ。
古来修験道の修行の場となった神社の参道にはこんにゃくを売る習慣があるが、ここも同じで、胡桃味噌がかかった味噌おでんはまさに格別である。
しっかり煮込んだこんにゃくは冷えた体を芯から暖めてくれる。
こんにゃくを食べると体の中の汚れが全て流されるかのように感じた。