モールの湯を楽しむ湯客で賑わう「十勝川温泉」

世界的に珍しいモール温泉十勝川温泉の特徴

北海道遺産に指定された十勝川温泉は、世界的に珍しいモール温泉と呼ばれる温泉だ。
モールという言葉はドイツ語に由来し、亜炭と呼ばれる地下層から湧き出る温泉のことで、有機物が多く含まれる温泉である。
有機物を多く含んでいるため薬効が高く、アイヌの人は十勝川温泉を薬の沼と呼び、万病に効果のある温泉として珍重してきた。

現在の十勝川温泉は昭和時代に入ってから開発されたもので、日本でも有数の名湯としての地位を確立してきたという歴史がある。
世界でも珍しいモール温泉の泉質を楽しむため、多くの湯治客で賑わいを見せる。

十勝川温泉とセットで人気なのが、タウシュベツ川にかかる橋梁である。
タウシュベツ川橋梁は旧国鉄時代に建造された美しいアーチ型の橋梁で、ダム開発により水没するまでの間、現役の橋として使用されてきた。
ダム開発により水没することが決まり、タウシュベツ川橋梁は廃線になったが、ダム湖の水位が減少する時期になるとアーチ橋が姿をみせ、幻想的な光景が広がりを見せる。
この光景を一目みたいという観光客が多く、北海道屈指の観光地としても人気がある。

気になる十勝川温泉の効能

十勝川温泉はモールと呼ばれる泥炭層から湧き出る温泉であることから、有機物が多く含まれ、フミン質と呼ばれる成分を含んだ温泉である。
モール温泉はアルカリ性で、特に皮膚疾患に効果があるとされている。
肌荒れや切り傷に効果があり、内臓疾患や神経痛などにも効果があることから、湯治客で賑わいを見せる。

豊富な湯量で温度は60℃にも達する高温泉である。
美肌の湯としても人気があり、何度か湯に浸かると肌がすべすべになるということで、評判の高い温泉である。

十勝川温泉の魅力

十勝川温泉の魅力は、世界的にも珍しいモール温泉の恩恵が受けられることだろう。
モールを通じて湧き出る温泉には大地の栄養素がたっぷりと含まれており、さまざまな疾患を癒してくれる力がある。
さすがアイヌ人が薬の沼として古くから利用してきた理由もよくわかる効能だ。
冬場カサカサになってしまった肌をキレイに整えてくれるのも、モール温泉の効能である。

十勝川温泉は周辺の観光とセットで楽しめるのも魅力だろう。
美しい白樺の並木通りが続く白樺並木、一面がひまわりでいっぱいになるひまわり畑など、都会の喧騒を離れ、体をしっかり癒してくれる美しい光景が魅力的だ。
食も見逃せず、北の大地で収穫される新鮮な野菜をいただいたり、酪農が盛んであることから、牛乳などの乳製品が楽しめるのも十勝川温泉ならではの楽しみ方だ。
大自然の中で良質な温泉を楽しみながら、ストレスから解放されるひとときが味わえるのが十勝川温泉の魅力と言えるだろう。